2012年03月03日

美術館めぐり、岩合光昭写真展どうぶつ家族、ホノルル美術館所蔵、北斎展、前期

 大丸ミュージアム梅田、岩合光昭写真展どうぶつ家族、2月24日〜3月5日まで、に行ってきました。
 いのちを育む大自然を舞台に、野生動物たちの一瞬の輝きを撮り続ける動物写真家・岩合光昭。大学在学中に訪問したガラパゴス諸島で野生の世界に魅了されて以来、世界中のフィールドを駆け巡り、生き物たちが命をつむぐ姿を見つめ続けています。アフリカのサバンナでたくましく生きるライオンの家族たち、オーストラリアの広大な原野を行くカンガルー、そして南極ではペンギンたちが氷の上を元気に動きまわります。「どうぶつ家族」では世界中で生きる多様な動物たちの姿をはじめ、生命の循環・つながりをテーマに写真作品約140点を紹介します。−チラシより。
 どれも可愛い。野生動物を可愛いといってはいけないと岩合さんは言いますが、選ばれたシーンがやはり可愛い。
 動物たちの生活をみつけ、その中から愛らしい一瞬をとらえ、見事な構図をとらえ、画面に美しい色彩をとらえ、美しく絵のような作品に作り上げる。画家なら想像を構成し対象を意図的に組み合わせ作り上げるデザインされたような見事な画面を一瞬の貴重な偶然を構成して作り上げている奇跡。
美しいシーンを作るのではなく見つけだし瞬間的に反応する、一瞬の偶然に写真家が選ばれる奇跡の連続。大きな構図に動物たちが入ってくるのを待ち素敵な一瞬の光景が現出するのを待つのか、動物たちの仕草が美しく楽しい一瞬々々で満ち溢れているのを見事な距離角度色彩構図物語に落とし込むのか。簡単には再現できないような貴重な一瞬々々の集積で物語の挿絵のように見事にきまった動物たちの姿仕草が美しい作品群でした。
 大きな暗い空に画面下のほう金色の細い筋となって光る遠い地面、手前の影になった地面を遠望してそこに光に首筋を金色に光らせた遠く小さなキリンたちの広がって十頭ほど歩き並ぶ姿。
 ライオンたち。
 草原の中左斜め向き横姿口をあけた母ライオンの歩いてくる傍から手前いっぱいこちら向き四頭並んで元気に駆け出してくる幼い子ライオンたち、端の一頭は隣の一頭の足にかじりついていたずらの一瞬をアップで。
 画面左の太い枝を沢山うねらせた見上げる巨木の高い太枝に登り両手や両足を枝の両サイドにだらんと垂らし跨って気持ちよさそうに眠る二頭を見上げ、樹下には幹から地面に両手をついて降り立つ瞬間の一頭、よく見ると影になった向こうの枝にもしっぽをたらしてもう一頭眠っていました。
 草原の泥の水たまりで食後の水を飲む八頭、大きなお母さんを一番左に大中小三段階の大きさの子らが入り混じって地面に置いた両腕の間に頭をかがめてこちら向きずらっと仲良く並んで舌を出していました。
 だらんと足をたらし斜め下を向く小さな可愛い子ライオンの首をくわえて運ぶ母ライオンの横顔バストショット。地面にあごを置き風にたてがみを吹き上げられながらひしゃげ気味の顔でぐっすり眠りこけるオスの顔面正面大アップ。同じように顔アップ、あごをつけて眠るメスの鼻から額に小さな白い蝿が何十匹も泥汚れのように。三越のライオン像の様に前足肘を地につけた綺麗なポーズで並んですわり左むき斜め顔を並べるたてがみもふさふさと成長した兄弟オス仲良い二頭の美形バストショット。上下に二頭左右に二頭菱形に顔を並べてこちらを向く母と三匹の成長したオスメス、雑誌明星の表紙のように見事に並んだ顔アップ奇跡のような一枚。雨雲の近づく一面深緑の短い草の原に綺麗な肌色で八頭、適当な間を取ってばらばらとめいめいどてっと横になり眠るライオンたち、大きなお腹を上に向け股を広げ踊るような手つきで大胆なだらけポーズの一頭に注目。
 垂れ目気味の目をしょぼっと閉じたチーターの赤ちゃん、前足を伸ばした座ポーズバストショット。二匹上下になってじゃれあう可愛い顔のチーターの子供、下のが両手両足を相手の前脚間に入れ手で顔を押し上げようとする左むき横姿。
 キリンたち。
 大画面、澄みわたる見事な青空に白い積雲が沢山浮かび大きな面積の空の下地平線まで続く緑の木々がもこもこと生えた素晴らしく美しい爽やかな草原景色を遠望しそこに小さく遠く点在するキリンたちの姿二十頭ほど・・。親と子は歩幅が違います、二頭の親の横を一緒に右向き一生懸命走る二頭の子キリン向こう右には四頭シマウマ左奥にはレイヨウも走る走る。キリンのとどくぎりぎりサイズで広がった枝を持つアカシア、首を伸ばし喉を伸ばしあごを上げてぎりぎりで葉をかじるキリン横姿、前足を上げ後足で立ち上がったらまだとどく。左から出てくるとげだらけのアカシア枝を気にせず口に含み緑葉を噛み締めるキリンのまつげの長い正面顔大アップ。真っ赤な夕映えに樹影の横に綺麗な赤黒いシルエットで二本首を伸ばしあい重なり写る二頭、メスの匂いにオスが舌をペロッと出して求愛中。
 右上に青く霞むキリマンジャロを望む近景高台の左、遠い木をバックに二頭白い牙を生やした大小オス象が鼻をくっつけ合い挨拶。オレンジバックにシルエットで左むき子供フラミンゴが喉を伸ばし嘴を上げ右後ろ上からのお母さんの口から何かをもらっているところ。紫のエリカの花の咲き乱れる丘に膝まで草にうずめて横姿シマウマの親子が向かい合い首を擦り合わせるところアップ。草の間横姿四つんばいで歩くお母さんの腰の上、上げた尾を背もたれのように上体を上げて座ってバランス、乗馬スタイルでこちらを見るアヌビスヒヒの子。お母さんや兄弟がこちらへ向かい草の間からぼけた姿を見せる手前で並び立つ草茎棒に左足を下右足を上にと両手で握ってよじ登り茎棒を右にこちらを見つめるアヌビスヒヒの子これもバランス。大画面群れになって地面を歩き足を後ろに伸ばして右向き舞い飛び上がる足先と付け根が赤く鶴のような白地に黒羽、長い嘴が黄色く眼の周りを通って頭首に赤バンドを巻いたようなトキイロコウ百羽ほど一面に見事に画面を埋め尽くす間左のほうこちら向き足を上げるアフリカゾウアップ。遠く飛行機から見下ろす白い砂の川床を見せる右向こうから左へまた右下手前へとくねる干上がった川、平原は緑木立に覆われと見ると川床右下を点々と足跡をつけ歩くゾウの小さな姿、水の匂いを追うその先くねった右上の方には点のようなレイヨウ一匹と空の色を映す水が残っていました。
 大画面中央60センチもあるような大きな黄色い太陽が赤い空の前黒い横にたなびく雲の向こうに下部を見せる下の丘の上のまっすぐな地平線上、トムソンガゼルの極小のシルエットが二十ほど間を取って横に並び歩いていました。ナイルキャベッジの葉を鼻先に乗せ水から顔を上げるカバの正面アップ。横向き一頭その後ろ正面向き四頭その後ろ斜め向き一頭と群れの中から顔を水面にのぞかせ重なったカバの表情。葉を茂らす木の枝の上背中後ろに背中を握る子ザルをつれた縞々しっぽのワオキツネザルお母さん。もこもこ葉の植物の生えた赤茶けた土の上を左へ走る背に子ザルのしがみついたワオキツネザルお母さん。十七頭ほど画面いっぱい横並びで正面向きこちらへ歩いてくる子象をまじえたメス象の群れ、左後ろ奥には牙を生やしたオス象横姿も。
 保護施設のオラウータンの子供たち。右に一匹手を広げ左の一匹の手を握り左に六匹前後で丸く固まって肩を組んでこちら向き大きな葉の緑の草の間に座り込んで可愛らしい瞳の茶色肌色子供達を見下ろす角度で。参ったなというように右手を頭に載せたつぶらな瞳のオラウータンの子の横画面バストショット。枝の間を細い木の幹を握りぶら下がり渡り歩こうと足を伸ばす左手を口にやった親ザルの右脇に子ザルがしがみついているところ。雨降りに樹上に足をたたんで座り大きな葉っぱを両手で持って笠に被って雨をよける左斜め向き姿。親の口元に口を伸ばして近づける子ザルの二匹の口元アップ。
 床のシートには子象を先頭に象十頭の二列行列を上空真上から撮ったアップ、行列の右にできた影で象であることが分かる見たことのなかった不思議な姿でした。
 画面左、緑をバックに耳の上にリボンのようにウツギのピンクの花が垂れかかるパンダの正面顔大アップ。口元手の上に生まれたてのピンクのちっちゃな赤ちゃんを抱くパンダの口先手元赤ちゃんアップ。大画面曇り空から光が差し込みその下シルエットになった地平線上遠く真ん中辺りに足を後ろに伸ばしてまさにジャンプ手前のしっぽの長い左向き横姿とその右子供の足を前に着地の瞬間横姿カンガルーの見事に絵になったシルエット。草の茎が白く光りぼけて雨の様に見える間で横顔向かい合ってじゃれる二頭の子カンガルー顔アップ。花びらの多い菊のような白い花が何百も一面に並び揃って茎のかしぐ中、手前や奥の花の光輪にぼける間に立つ子カンガルー向こう横向きの足元から上体こちらに向けてかがんだ姿。たれ下がる葉をバックに乾いた木の枝の上で口元をあわせる緑に縞羽根のセキセインコのつがい。
 アシカたち。遠く雨雲から紺の雨のけぶるのが見える海に浅瀬の上十頭程あちこちを向いて集まったアシカたち上を向いて遠吠えするような一匹も。荒れた海も水中で平気、青い海中水草の漂う中こちら向き泳いでくる遠近四頭。遠くから浜辺を画面中央までざっざとしたひれ跡の間に前後互い違いに穴を開けたキャタピラー跡のような足跡をつけて歩いてきた若いオスのアシカ。左頬を下に浜辺に右向き寝転んだ右頭に赤い海草の塊がリボンの様に載ったアシカの顔アップ。三頭重なる横姿から顔を並べ揃ってこちらを振り向く子アシカたちアップ。
 綺麗な青い海を背景に砂浜のギンカモメのつがい、一羽がもう一羽の横顔に目を閉じ嘴をこすり寄せるところ。白い砂浜の上向こうのターコイズの海から紺の空へと色を移すグラデバックに砂浜を歩いたり真っ白な羽を広げいっせいに右こちら向き舞い上がったりエリ嘴足が紺色で後は真っ白のエリグロアジサシの百羽ほど画面一面に写った群れ。近くの水中まで泳いで来て透明な青緑の海中に屈折でゆがんだ姿をきれいに見せるバンドウイルカ。お母さんの横海面に右向き顔を出しピンクに染まる頬を擦り付けるバンドウイルカの子供。
 ニホンザルたち。岩の上で大口を開けるお母さんとその左から向こう頬の毛づくろいをするもう一匹、膝にはその表情を見上げる子ザルその背の下には顔を向こうにもぐりこませたもう一匹の足と背中が見えていました。左の角石の上から手を滑り落とさせ下をのぞく右下向き坊主頭子ザルとその向こう並んだもう一匹、そこに向かい上がろうと石に手をかけた子ザルもう一匹の右足を引っ張る右からのふさふさ大人ザル、子ザルの左足はおかげで宙に浮き小さなおちんちんが宙に丸出しに・・。黄色く紅葉した葉の茂る渓谷の右からの木の太枝真ん中に遠目に小さいニホンザルのつがい左むき二匹並んで座って背に寄り添って銀の毛並みに赤い顔をこちらに向けていました。雪の中左むき座った一匹の右手指を握って顔を見る右向きもう一匹。雪の積もった中で前を行く一匹に雪をかけられ大口を開けのけぞるもう一匹。雪の中細い枝先まで身軽に登り別々の枝先の上で違う枝を引っ張ったり冬芽を食べている右向き横姿同じ高さで子ザル二匹の並んだ写真。頭の毛を雪で真っ白にしながら温泉にあご上まで浸かる斜めにかしいだ赤ら顔の正面アップ。
 天井から吊られた横長大画面に雪を抱く山脈の前の広大な南極の平原に群れる何万というペンギンの立ち姿、壮観。裏には森を走りジャンプして宙を行くガゼルたち前後五頭の右向き疾走する横姿。
 折れた木の幹上に後脚を高く前足を低めの四つんばい左むき横姿、目の大きなアニメのような可愛い顔をこちらに向けたエゾリス、灰色毛並みに耳上と体上に揺らし上げた尻尾の周りに黒い細毛を逆立てていました。雪の固く積もった上を前後に手足を広げ伸ばしてしっぽを後ろに左へかけてゆく黒っぽいエゾリスの姿。緑の海中のマナティごつい正面姿左ひれを体から下ろしていました。石垣の手前地面の石の向こうから上半身を出してそこに生えている黄色い花の一つを両手でつかみひっぱり目を閉じてあごを上げ上を向いて恍惚と食べるキンイロジリス左むき小さな横姿を画面中央に。氷海の間から濡れて光った顔を上げる正面向きゴマフアザラシを画面下に小さめ。雪原丘の上の地平線を行く左むき行列二十何頭、遠く小さく写ったトナカイの画面左右いっぱいの群れ。
 ホッキョクグマたち。画面下左上を頭に雪の上ひっくり返った大きな子グマの右上から載りかかり鼻先を下に写ったお母さんグマを見下ろして。雪原を二匹の小さな子グマを自分の前に歩かせて近づいてくる鼻先背に雪を載せた左斜め向きホッキョクグマのお母さん。岩島に上がったばかりの濡れた体から水滴を飛ばす親子グマこちらを振り返る姿。ヒメヤナギランの濃いピンクの一面の花畑から画面右より白い顔だけ出して目を閉じた恍惚の斜めにかしいだ正面表情のホッキョクグマ。画面上端に水平線、画面一面波跡の濃い模様に見えるネイビーブルーの海、大画面その下端の方真ん中あたり遠く小さく白く三つ海面に横顔を横一列に並べて出して右向き泳ぐシロクマ親子見事に絵にしたシャッターチャンス。画面一面氷のでこぼこがゴロゴロ出た果てしなく続く遠い氷海その真ん中下あたり大画面に遠く小さく見事に横並び四羽で丸っこい体をかしがせ羽を広げよちよち行くアデリーペンギンの黒く並んだ後姿、カワイイ、小さい、アニメみたい、上のほう氷の陰にも小さく何羽かペンギンのちらほら見えるのに気付く人はどれくらい?。何十万羽と集まるオオサマペンギンの黄色い喉もとの制服のような群れと茶色い雛の集まりと斑になった大群を画面一面にぎっしりとらえて。群れの間で向こうむき上に向かって喉を伸ばし嘴を上げ羽を広げたオオサマペンギン大きな後姿とその左右にこちらを向く親二羽と手前左右の茶色い毛皮を着たような雛二羽の集うところをアップで。アゴヒゲペンギンの白地にくちばしと目と頭と顎鬚ラインの黒い漫画のような単純な正面顔をアップで。
 タペストリーに青空をバックの下から見た羽を広げ滑空するかもめ。裏には二羽で真っ白な羽を広げ滑空し寄り添う尾が筋の様に長く伸びたかもめに似た鳥。
 地平線の上の傘の様に上部の大きく広がったアンブレラアカシアを赤バックにシルエットで小さめに、遥か右上には小さな有明の三日月。赤い空に黄色い夕陽の大きく光る手前の真っ赤に色づく大地、赤の光の中足を前後に駆けるリカオン二頭を小さなシルエットで。朝の光に金色に染まる東アフリカ高原の草原に佇み横姿シルエットで綿毛のような草の中光る白い息を吐く雄ライオン。墨絵の様に立ち込める川霧の中に霞み浮かぶ無数の小さなフラミンゴの姿その手前を画面左から銀の水を蹴立てて右に進むクロサイ大きなシルエット、画面手前下を左むき並んで八羽歩むフラミンゴの大きな影と上空には大小遠近前後して体を伸ばし何羽か右へ飛ぶ姿も。
 オレンジの波打ち際で子をくわえ運ぶこちら向きオーストラリアアシカ。砂浜に向こうへ向かって左むき横姿八頭二頭と二列並びで固まりどて〜と寝そべって腹を見せたり背を見せたりアシカたち一頭だけオスでどれか分かりますかと聞かれても・・。一面に紫の花を咲かせる移入種サルベーションジェーンの間でこちら向き身をかがめるワラルー。横からの光受け体に光の輪郭を作ったアナウサギ右左交互に向く横姿で前足を地につけたり起き上がったり草むらに四匹。横切る水色の川の帯をバックに木立の左で立ち上がり上半身抱きかかえあい顔を寄せた二頭のカンガルー解説にはファイト中。雨後いっせいに孵化し舞い上がる雪のようなカゲロウの中で左端だけ座って左斜め前を向き右へ向こう向け寝転んで四頭こちらに顔を向けたり向こうを向いたり五頭のチーターの親子、成長した子と左から二頭目がお母さんらしいです。水場で鼻を右へ伸ばしかがんで水を飲む子象、手前には白い鷺も羽を広げて嘴を伸ばし同じポーズ。草の食べ方も家族ごと流儀が違うそう草を食べる左の大きい象に右や後ろ背の高い草の間を近づいてくる五頭ほど。浜辺の七頭、喉を伸ばし首をあげほえるようなのが沢山と寝そべってるのも何頭か、一頭だけオスのアシカの群れ。右端でチューブになる高波の緑色の斜面の中、すいすいと泳ぐアシカ二匹の横姿が見えました。
 群れ四つ。フラミンゴ90羽ほど横画面中央に密集重なり並んで首をあげる赤いくちばしと体色ピンクに白く光の当たった群れ固まり、緑系のバックに足元からは水面に影が白ピンク赤陰影の真下に降りる筋縞並びとなって映る見事な美しさ。空草原をバックに左に大きな大木その右に伸びる木陰にメスライオン22頭の群れが固まって寝転び座りあちこちをむいて休む壮観な眺め、一頭だけ大木に向かって起き上がり載りかかり爪をとぐ後姿でした。大木の周りに陣形を描くように外向き輪に並ぶ象、見えているのが右手前の木の周りに五頭、左奥の遠い木の周りに八頭、象が食べるので木陰は小さくなってるそう。崩れかけた石垣作りの建造物の手前、湖に一面浮かび立ち上がる黄色い水草で草原の様、そこに入った手前十三頭の鹿みたいなサンバー、お腹の下まで水に浸かり草を食べる背中に白鷺を乗せた二頭も、よく見ると遠く左向こうにこちら向き小さく黒い耳だけ出した六頭が並び中央奥には立派な角を生やした一頭も小さく見えていました。
 湖の草だらけの岸そば木々の枝越しに水辺ではしゃぐ子サンバーその向こうには岸に上がりかける後姿から横に首を出したお母さんと右側左向き横姿のおとうさん。森の中左の大樹の枝に登る長いしっぽをたらした猿ハヌマンラングール三匹右のアキシスジカと一緒に向こうを振り向き見やる先には飛び立つ孔雀の影。美しい体色縞模様を見せるベンガルトラ三頭右向き横姿の重なりからこちらに揃って顔を見せていました。雪の間から木々の生える夕陽の雪原のふくらみを子を従えて登り右向こう向きねぐらを探すお母さんホッキョクグマ。灌木の間の雪の上をねぐらに決め胸に子を抱いてこちら向き横になり揃ってこちらを見る母子グマたちを遠目に。
 バンクシアの枝の上でフラッシュに照らされるスポンジタワシのような黄色い花の上に乗った小さなハムスターのようなピグミーポッサム、その後背景に闇の中長時間露光で星を円弧に動かした写真。紫の夜空を月と星が円弧状に光の筋になって樹影の見える地平線から右上へと写った大きな写真。
 左に割れかけて上部から足先の出た大きくて綺麗な卵右に小さな斑点のある顔もハンサムな産毛も可愛く足だけごつい二羽の雛、並んだダチョウの雛たちを見上げるアップで。割れて二匹が向かい合い顔体ひれを出す卵2個アオウミガメの子供。水面上と緑の水面下を半分沈めたカメラで撮影、水面に顔を出し海に泳ぎ出すアオウミガメの子、水面下には下半身ともう一匹。生まれたばかり左側の赤い胎盤を向こうにぶら下げたこちら向きお母さんになめられる濡れて毛のちぢれた右向きシマウマの赤ちゃん。氷の上に転がる少し血のついた生まれたての赤ちゃんこちら向きとこちら向きの右から鼻先を伸ばし寄せるお母さん、タテゴトアザラシの母子。灌木の生える雪原の畝ふくらみのこちらで座り込んでお腹に二匹の子を寄り添わせ授乳するホッキョクグマのお母さんを遠目に。お腹からへその緒を垂らした生まれたての子キリンの背をなめるお母さん。左に頭を下げるお母さんのお腹の下で乳を探す子キリン。草原へ向かって右向こうを目指し歩き出すクロサイと後をついて歩く小さな子ザイ斜め後姿。左にお母さん右後ろを追いかける小さな子供一頭しっぽを上げ二匹でお尻の穴を見せた後姿。右斜め向きひび割れたお母さんの大きな顔とその左下額の上に嘴と目の赤いアカハシウシツツキ三羽を載せてこちらを見る子ども、クロサイの親子。時に厳しくと解説に・・草むらの間で顔をしかめ大口を開ける子ライオンの頭をなでるのか叩くのか手をのせかける左むこう向き母ライオン左にはもう一頭の子もそばに転んでいました。所々草の生える土の地面に二匹並んでこちら向き子供に口から唾液を与える母アカカンガルー。左の子供の肩に右手を回し頬を摺り寄せるお母さん子は片目をつぶり気持ちよさそう、アカカンガルー。下り斜め斜面で親の背に後ろ向きに子が載って後ろから来たもう一匹の親と向かい合う横姿、ずんぐりねずみのようなロックハイラックスの親子。右下がり岩の斜面の中腹で九匹二列に同じ顔、目鼻口と丸い耳の中が黒くて眉辺りと口周りが白い鼻でかリス顔のロックハイラックス揃ってこちら向き、後ろに向こう向き斜面の上の方にこちら向きともう二匹がいました。子供を口にくわえ右向き走るブチハイエナ。土の地面に掘った巣穴から二匹並んで登場のブチハイエナの子供正面姿。上部に大穴の開いたあり塚のふもとに穴を掘り巣にしてその脇に寝そべる大きな耳のオオミミギツネ二頭。真ん中上にお母さん両脇下に子ギツネと三匹こちら向き顔を三角に並べて寝そべるオオミミギツネ、蝶の羽を広げたように並んだ大きな耳とカワイイ目鼻がアニメ顔。雨雲を呼び重ねる空、右のほうに地に向かい稲妻が二本走るサバンナ遠景。降り出した雨に背を濡らしながら草むらの中、向こう斜め向き背の丸みを見せた後姿からこちらを振り返るうずくまったチーター親子。
 天井からのタペストリーの裏表。顔に顔を寄せしがみつく親子ニホンザルが仲良く温泉に浸かって。大きな尾びれを揺らめかして向こう向き進むザトウクジラの後姿、その向こうには子供クジラも進んで行くところでした。
 右の崖を駆け下り左へ走るヌーの群れ、画面奥へ向かって砂煙に墨絵のように霞む群れシルエットを何段も重ね百頭ほども角輪郭を重ねていました。水辺にやってきたヌーの群れに画面中央下水中から身をうねらせワニが襲い掛かり驚いて前足を上げ跳ね上がる一頭や暴れる周りの何頭もダイナミックな姿を重ね群れ百頭ほど。倒れ命を落とした母象に寄り添う子象と他の象たち。上げ伸ばした首の左頬を地に着け足を浮かし倒れて動かない母象を後にし左向こうへ去って行く象の後姿。
 子アホウドリの茶色い産毛が抜けて白い姿になってゆく正面顔を縦長画面アップで六枚並び、美容室の写真モデルみたい魅惑の女目にモヒカンやウイッグ羽帽子をつけたようで色っぽい表情。夕陽に照らされ群れをバックに嘴をすり合わせる親子二羽を見上げてアップ。
 タテゴトアザラシの生後26日までかいつまんで八枚八角柱を囲んで展示、仰向け寝そべり氷をあざらし形に溶かす5日後、丸々風船のように膨れた水中写真の8日後、大アップで満面の笑顔になった11日後、それぞれブチ模様のでき始めたお腹を見せる横寝姿から手を上げて挨拶の何枚か。
床のシートに青い海の中を泳ぐザトウクジラの上から見た背姿。
 画面右の地平線から立ちのぼる大きな虹をバックに横腹に太く大きな黒筋を持つトムソンガゼル何百頭かが遠く点になるまで三々五々オレンジに照らされた広い平原に散っているところ。顔を寄せ合うトムソンガゼルの親子とその周りの何頭かを大きくとらえバックには段々遠くにぼけ霞んで丸い光の並びになって行く何十頭か草を食む姿。緑をバックにお母さんから離れすぎた子象を草を食んだまま鼻先を胸前からいれ片前足をまくように持ち上げて戻そうとする他のメス象の口元から鼻下と子象アップ。上空高くから見下ろす木立が間を取って生えた緑の森、手前の椰子のぱらぱらと混じる間の象の道を十五頭、十頭と固まって斜めに画面を横切り歩いてゆく茶色い背中の群れを大画面の中微小なサイズにとらえて。緑の木立の混じる草原の森を左向き五十頭ほども高いところから望遠で、画面一面に歩いてゆく象の姿。左を歩く母象の口元に鼻先を入れ何を食べてるか確かめる子象アップ。群青の水の中を右上に向かって上がってゆくザトウクジラ横姿、背の上に並んで小さな子クジラも。群青グラデの水の中を泳いできて身をくねらせて見せる子クジラを中央に。食べさせられるだけ食べさせる親と食べられるだけ食べる子、喉元を膨らませるペンギンの子とその後ろ腹ばいになった子、佇む親。足を伸ばし腹ばいになって口をあける子ペンギンとその後ろの子と親その向こうには群れの二十羽ほどが見える景色。エメラルドグリーンのハワイの海を砂浜近くまで泳いできた黒っぽいハワイモンクアザラシ向こうにもう一頭も。巨岩の上で向かい合うライオンオスメスを遠目に見て。森陰に狩から帰ってきた左むきお母さんの口元に両手を上げて甘える子ライオン、横から差し込む光に光の縁取りができた二頭。森陰に右こちら向き寝そべって左頬を地面につけて幸せそうに目を閉じるお母さんの右頬の上に左頬を載せる子ライオンお腹の横にも向こう向き子ライオン。金色に緑の混じる草原に画面左、向こう向き寝そべって右向こう向き横顔を上げる母ライオンとその首筋に両手を回して向こう側立ち上がる子ライオンが同じ方向を見ている写真。
 動物たちが演じて見せてくれているような親しみのある写真が沢山ありました。できるなら動物たちにとってそこが楽園でありますように。

 京都文化博物館、ホノルル美術館所蔵、北斎展、前期に行ってきました。
アジア美術の収蔵で世界的に知られるホノルル美術館には約10000点もの浮世絵版画が収蔵されており、その質の高さには定評があります。コレクションの中核をなすのは、ミュージカル「南太平洋」の原作者ジェームス・A・ミッチェナー氏の寄贈による約5400点の浮世絵作品。2010年は北斎生誕250周年にあたり、この度、その記念事業の一環として、ホノルル美術館所蔵の優品170点を網羅した「北斎展」を開催します。初期から晩年にかけての画業を年代別に概観するとともに、代表作「富嶽三十六景」をはじめとした6種の揃物を紹介する画期的な展覧会です。北斎芸術に触れるまたとない機会となることでしょう。−チラシより。
 構図を目でなぞるだけでも楽しく人々の生き生きとしたポーズも面白い北斎の作品群。前後期に分けて半分ずつの展示。今展は揃い物が沢山来ていました。
 画面奥に向かって山や海や人や木や家や橋や馬や船、様々なモチーフをまるでコラージュするかのごとく絶妙に配してゆく、左右から寄せ奥手前へと大小遠近を生かし画面をにぎやかす配置の妙。
 百人一首乳母か絵と起のシリーズ。和歌を絵説きするもの。
 天智天皇。秋の田の刈穂の・・・・。遠く山には水平の雲がたなびき木立民家を奥左右と中景に、金の穂を伸ばす田んぼの間のあぜがジグザグと続く画面中央に三本の細木が空高く伸び上がりそのふもとをくぐり笠を被り荷物を背負った旅人二人、左から右奥へ向かって稲藁を背負い具に背負った手拭頭の農夫が歩き行きかおうとするその左手前画面左端には小さな高床やぐらそのまた右手前には天秤に稲藁を担いだ左向き笠の男その足元から右へ続く道の端には画面右下隅に小川を渡る木組みの小橋がかかりあたりに小さな円錐形の藁傘山の並ぶところへ脇に笠を持った子が手を挙げ走り後ろ右から笠に手をやり鍬を持った男女二人が渡っていくところでした。
 柿の本人麿。あしびきの山鳥の・・・・。中央奥の大きな丸山の前を画面右下手前の枯れ枝重ねの焚き火から左斜め上に向かいもくもくと徐々に太くなって白い煙が伸びて左からの岩向こう木立右手前下の画面中央左寄りに建つ民家の右手前上を掠めているとみると民家の中にくつろぐ小さな人影(人麿か?)画面左から右に下る水流の川が手前に見え画面右下の網を一生懸命曳いて左へ上がる両岸七人と網後ろのしぶきの中に一人腰蓑の男たちが大きく描かれていました。引き綱と男らの、煙と並ぶ斜め構図が見事。
 猿丸太夫。奥山に紅葉踏み分け・・・・。画面手前左の高台から右下へ話しながら坂道を下ってゆく背中に籠を背負い手に竹箒を持った頭手拭の近景の女たち十人の列、右下三人は土坂の向こうに頭だけ見せています。坂左手前は山丘陰、正面坂向こうは紅葉の木々、右は上に向かって近くの山の斜面の中腹に大きく民家が並び建って庭先に小さく人物もいます。民家とX字の構図になって左向こう上遠くに聳える丸山の右ふもとは紅葉の向こう霞みたなびく雲模様になっていてその向こう空は夕焼け。左の山の上にも紅葉の木々とその間頂上に小さく点のように鹿が二頭こちらを見ていました。
 阿倍仲麿。天の原ふりさけ見れば・・・・。画面右大きな湖面に月が映りその左には舟も二艘浮かんでいます。湖の左へ上を下って向こう岸が岬を並べ画面中央には湖面バックに手前から小高い丘かたまりがせり上がりその上に大きく仲麿が立って扇子片手に月影を振り向き見やり両脇にお供の小姓が仲麿に向かう横後姿で両膝ひざまづいて中国袖に両腕を組んで額前に差し上げていました。丘の右下には丸い葉模様を沢山つけた松が生え出し右向こう下にはカラフルな陣幕が張られていました。左手前には画面左下の松越しの陣幕の向こうに組み手を差し上げるもう一人と御付きの八人の後ろ頭がのぞき複雑な形の旗幟の先に赤房と槍がついたもの二本が高さを違えて大きく伸び上がりなびくその左向こう画面左には家屋の白壁と瓦屋根が二軒で大きく張り出していました。
 参議篁。わたの原やそしまかけて・・・・。左上にたくさんの島が散る海、島向こうに大きな帆船が浮かび手前右側には洞門の開いた岩を大きく、近景洞門の間から一人顔が見える男三人乗った船が洞門の向こう後ろから左へとへさきを伸ばし進んでゆくところ、洞門の上には上半身はだけた海女が三人かがんだり立ったり船を見やり左の線描きで見事にうねる青白グラデの海には水中から顔手足を垣間見せめいめいのポーズで海女が三人泳ぎ一人はあわびを差し上げていました。水の中から手足を上げる海女の見え方面白い姿態と水面のうねりが動くよう。
 在原業平。ちはやぶる神代もきかず・・・・。右上から左へとゆるく下る丘、そこを轟々と水流を段重ねに流れる紅葉の浮かぶ龍田川、右下に家屋根が見えそこから画面いっぱい太鼓橋状に橋が架かって真ん中上には子を背負って水を指差す女と並び川面を見下ろす男、右には扇子を頭にさしかけおどけながら二人で弁当包み?を引っ張り持って橋を渡ろうとする旅侍、左には稲藁を背負って橋をこちらに渡ろうとする男女農夫、橋の袂には松が見え向こうには藁円錐、背景には霞みの向こうに左から右へ向かって紅葉を載せた丸山が続いていました。真ん中下にはこちら岸岩をよじ登ってくる男と岩の上に膝を上げ下に向かってぐいと川に竿を差し込む男横姿。水の流れがダイナミック。
 伊勢。なにわがた短き葦の節の間も・・・・。左上向こうに田の整然と並ぶ前を堤防が左へ右へまた左へとジグザグに通り十四人小さな旅人が行き交っている手前は川面に入組む葦原それを遠望して画面右に大きく近景の建物の二階部分が描かれ窓をコーナーに開けてすだれの下から肘を乗り出して外を振り向き眺める女衆二人、その右、屋根外に右手前もう一つの切妻の向こうで瓦を抱えた職人の後ろ姿、二階の屋根には重ねた瓦の傍らで瓦を受け取ろうとするもう一人とその左上屋根に瓦を並べて行くもう一人、下左には切妻を並べて四つほど屋根模様が重なり伸び左下からは屋根より高く花を咲かせた梅の木が伸び上がってきていました。
 菅家。このたびはぬさもとりあへず・・・・。なだらかな凸の字がたの屋根を持ち文模様や黒格子の壁で飾った豪華な三輪牛車が大きく右向き横斜め姿でとらえられ右には引き手先を小さな黒床机台の上に休めてその左に向こう向きで牛車と横向きに背中に牡丹模様の布を巻いた牛が地に腹をつけ休んでいました。牛車の向こうには白狩衣の二人が布で包まれた長い棒を持ち何事か話し牛の向こうには右に棒をついて立ち控えるこわもて烏帽子の従者二人並びとその右、牛の顔前に座り込み待ち疲れ模様で頬杖の白狩衣の三人組。牛車の左手前には岩陰から石灯籠三つ並び、向こうには二本の青木立と舞い飛ぶ楓紅葉が描かれていました。
 源宗干朝臣。山里は冬ぞ寂しさ増さりける・・・。雪の積もる中画面左のアップの木切れを集めた焚き火から左へ膨れそこから大きな刷毛跡のように隙間を開けながら右上へと大きく流れる白い煙、画面左下焚き火の周りには背に火縄銃を背負った猟師たち五人が立ったりかがんだり横に足を伸ばして向こう向き座り込んだり寒さに体をくねらせそれぞれ両掌を広げて火にかざしながら談笑する光景。向こうには墨の森、右には雪を被った傾く木々に周りを萱垣で丸く囲って屋根を組み付けた粗末な庵が雪にうずもれかけながら大きく描かれ中に藁俵やかまどに吊るされた黒鉄鍋なども見えていました。
 春道列樹。山川に風のかけたるしがらみは・・・。中央から右へ右端で折れて左へと青い流れを段重ねに白い逆巻きあわ立ちに紅葉を浮かして川が流れ右端では上にせり出す木立の生えた岩崖の下に三本丸木をくくって川を渡した橋の上を頭に桶を載せたお母さんに手を引かれながら振り向いて紐でくくった亀を散歩させる子の姿。画面左から中央には川の向こうに右を向いてカタパルトのように斜めに丸木柱で支えられた太さ1mもあるような大きな角材が立てられ平たく長い板を切り出そうと上に載って上に向かい足を前後に広げ上体を折って縦にのこぎりを入れ挽く人下からは両膝をついてかかとの上にお尻を載せ反り返って上向きで大鋸を挽く人その左角材の下端前には藁ござに座り込み鋸の歯を細かく見ようと載りかがむ右向き男画面中央角材右端の下手前には編み籠を傍らに前のめりに川に竿を差しいれる男、背景には川べり画面奥へと続く木立の前に左から突き出して固め重ね並べ置かれた大きな角材群が描かれ木柱で三角に挟まれまとめられていました。その上にはお弁当か?赤青大きな布包み二つも・・。
 文屋朝康。白露に風の吹きしく秋の野は・・・・。白露の沢山載っているのが見える大きな蓮の葉の沢山浮かぶ青い蓮池に、左から上中ほどまでと下手前右辺りまで風に吹かれる細草の固まり散って生える岩岸が伸びてその間、画面中央大きく赤とベージュで彩られた円弧にそりあがった造りの細かい木舟を浮かべそこに乗った袴姿の女衆が三人ともやへさきや真ん中で座ったりかがんだり立ちくねったり蓮の間に長竿を操り、間の舟上では縁に腰掛け前屈みに摘んだ蓮の葉を調べる二人、水中には水草の陰も見えていました。
 大中臣能宣朝臣。みかきもり衛士のたく火の・・・。画面左上小さな歌人と小姓が座り向こうを見やる緑の丘斜面が右下へ下り、伸び上がる桜の木の横を通り左下の松越しの木造りの屋根つき門から右斜め上へ向かって衝立のような四枚連ねの黒枠飾りつき上に対角線に塗り棒を渡した飾り格子のついた年輪模様の一枚板塀の大きく描かれた向こうを通って左下へ続く背景。塀の外、画面右では右へ薄墨の煙を流す焚き火を囲み箒を落として後ろ手に肘を持ったり袂をまくって二の腕をかいたり立ち姿や地べたに座り込んで頬杖をついたりりううつぶせ寝そべって足をばたつかせたり後ろ手をついて足を伸ばしたり膝を抱えてうずくまったりよれた白狩衣の退屈そうな六人の衛士たちの姿を大きく面白く描いていました。
 藤原道信朝臣。明けぬれば暮るるものとは・・・。左へ下る黒い堤の向こう家屋根の並んでのぞく左下へ向かって徐々に隠れ下ってゆく向こう添いゆるい石段を走り下る二つ並んだ駕籠、前を行く駕籠の駕籠かきの前は首、後ろは腰まで堤に隠れ後ろの駕籠は二人とも片足を後ろに上げる走りのポーズで駕籠から赤い円筒提灯をたわみ揺らせていました。駕籠かきの手前堤の上には緑茶葉を天秤に担いだ男二人、一人は右下隅の葉陰の向こうで天秤を下ろし体を折ってわらじを直しているところでした。後ろの駕籠の後ろ傍にはもう一人駕籠を見やりながら駕籠かきらと同じようにもろ肌脱いで走る男(交代要員?)木立のシルエットの遠い稜線の下屋根越し遠く低くはるか向こうに広がる道景色には薄墨の間のくねる道を左端から右へ行く赤提灯を持った歩き人と提灯を揺らし走る駕籠三つが遠く小さく描かれていました。朝帰りの駕籠の近景人物を大きくダイナミックに描いて面白い作品でした。
 大納言経信。夕されば門田の稲葉おとづれて・・・。左上高い位置に軒を見せる小屋屋根の下には杵の立てかけられた作り付けの臼、その手前外の大桶から泉のように水が湧き出し流れ落ち石囲いから溢れて右下へ下っていました。左のほう大桶の傍では手にした桶を顔前に持ち上げたり桶を逆巻く水頭に浸して水を汲もうとしたり二人の手拭頭の女、右のほうでは包みを結びつけた鍬を下ろした農夫が流れに片足を浸しもう一方のわらじを直しその後ろ流れ沿いの坂道には長竿に編み籠二つや荷物包みをぶら下げて両端を担ぎ登ってゆく二人の男、後ろの男はすれ違い後ろで笠に手をやり振り向きながら向こう景色を見上げる僧と一緒に右に萱葺き民家屋根の四つ見える左に広がる白霞みのかかった緑の稲田の上空をジグザグに群れて飛んで行く遠い鳥の隊列を見やっていました。
 縦長画面に中国や日本の故事、漢詩や歌に題材をとった物語を描いた詩哥写真鏡のシリーズも見ごたえあり。メリハリのある色刷り配色が美しい。
 少年行。画面下半分に大きく左を向いて赤い房飾りを沢山ぶら下げて緑と赤に紋模様紐房縁取りも綺麗な鞍を載せた白馬に跨る中国衣装に黒頭巾の少年、右手に持った草枝鞭を後ろ手に振るい刀を背に白い横顔で上後ろを振り向きながら進む先には左上に向かってジグザグにカーブを描きながら右の湖面にせり出しつ遠くなってゆく道に途中釣りをして笠にうつむき顔の見えない旅人や道奥を左に進む赤馬に乗って振り返る中国衣装の黒ひげ男などが配され青い群青の縁グラデのある湖面やせり出す柳、草の生えた青っぽい土手に肌色の明るい道やトロットする白馬がよく映えていました。
 李白。上空白から紺へ色づく空に右からせり出す黄色い岩から枝垂れ生えた赤松が伸びる向こうを垂直の白から水色灰や紺の帯にグラデを描く清清しい滝が太くまっすぐに流れ落ちているのを左下木立を伴って頭を出す手前の黄色い丸岩の上に立って振り向き眺める重ね衣装に赤を羽織ったこちら向き右手に杖を持つ李白。顎を突き出し首を伸ばす姿勢を前と後ろから抱きつく様に組み付き滝へ落ちないように支える二人の子供、二人とも李白の服に顔をうずめるようにしてわずかに可愛い表情を垣間見せ前の子の背には李白の抱くような左手袂がかかっていました。一生懸命にとめてる子らの隠れた表情が可愛い。バックに滝の色も綺麗。
 春道のつらき。右上に遠い山重なり右からせり出す黄色い崖、中ほど高さは木立の緑がせり出して埋めその向こうには民家が何軒も茶色い萱葺き屋根を密集させた遠景色その上向こう緑の堤の手前を右から左、カーブしてまた右下へと巻いて流れくる青筋水流段重ねの逆巻く白しぶきを上げる川、画面下左岸から崖向こうへ板橋を渡しその上を川面を見やりながら向こうへ渡る四角紋オレンジ狩衣の烏帽子の男性、後ろを刀を掲げた白い足首の小姓と茶肌色のひげ従者がそれぞれ黄緑と茶色の六角、菱と紋模様の着物でついてゆくところでした。
 在原業平。画面下から枝を伸ばす緑木立、その向こう画面右下には斜めにわらぶき屋根が見えその向こうの湖のこちら岸にござを出し二人向き合って砧で布を叩く着物の母子、その右上には手拭をかけた鍬を地に置きこちら向き両手でいくつか置かれた大きな編み籠の一つを持ち上げる脚絆の父親その左向こうには小さな高床やぐらが見え右上には腹に藁を巻いた茶色い木が聳えあがって遠く見える緑に囲まれ頭を出す黒屋根お堂の手前を伸び雁の隊列がジグザグに行きかかる雲間の満月を左に見て上端へと枝葉を広げていました。中ほど高さやぐらの左向こうに広がる青い湖沼には鴨が十一羽小さく並んでいるのも見える穏やかな生活風景でした。左からお堂の前まで横がすれ帯で入った白霞がメリハリのあるアクセント。
 木賊刈。上端を藍がすみに白く光る空、たなびく白雲の向こう薄青をバックの満月が右端を広がる木立葉模様の後ろに隠し、その下の森と木賊の生え茂った地面に白の横がすみが入りこんで右斜めに降りる沼の緑岩に入組む向こう岸へと続きその下左からの青グラデの湖面には鴨が二羽泳いで手前左下へ斜めに降りるこちら岸緑の堤の手前右から左へ下る白筋水流段々重ねの青い川に堤へ向かい左上がりで渡された肌色板橋の上を左向こうへ向かって緑の木賊を束ね掛けた天秤竿を左肩に渡る老人ぼろに擦り切れた農夫スタイル。近景動きのある川に重なり人物が大きくしっかりと目立ち目を上げれば遠景までモチーフが重なってゆく構図。
 諸国瀧廻りのシリーズも面白い。
 和州義経馬洗滝。縦画面黄色茶色に木立葉模様が所々出た重なる岩の上を左から白模様で現われ右から左に膨れる紺水色に積もる雪のような白デコレーションの水流滝となって流れ落ち点描の玉しぶきを吹き上げながら中腹に水流の入組むたまりを作っているところに左むきに赤馬を立たせて前後で洗う二人の尻まくりもろ肌脱いだ男たち、こちら向き抱く様に首筋を洗う一人から首をそらす馬の横腹を手拭から水を滴り落とし斜めにかしいだ後姿の両手で洗うもう一人、足元の水流は右へ大きく躍り上がり右下へ膨れ落ちて白い逆巻きを作りそこから岩間を左下へしぶき波を段重ねに下り降りていました。
 下野黒髪山きりふりの滝。高い岩崖の上から突き出す岩に次々分かたれ紺地の上から水色白模様がガジュマルの根のようにうねり無数に枝分かれして流れ落ちる滝のビジュアルインパクト。無数の玉の水しぶきを上げる広がった滝壺の手前はぼこぼこと波頭を上げ段重ねに画面を横切り流れる水流その手前真ん中下の岩場に、立って二人、しゃがんで一人背中に荷物を背負ったり笠荷物を脇に置いたり向こう向き滝を見上げる旅人たち。右下隅のふくらみからは手前木立が生え伸び葉を茂らす上辺り右崖うえの高いところから生え伸びる林のふもとに身をかがめしゃがんだり屈んだりのポーズで恐る恐る乗り出して左下の滝を見下ろす旅人二人も面白いダイナミックなきりふりの滝。
 美濃ノ国養老の滝。右下にはじかれ流れ落ちる水しぶきにも見えるという色描かれ方で小屋の藁屋根、斜め上から見た中に石垣椅子藁敷きに向かい合い腰掛け休む旅姿三人が見え屋根の向こう右には枝ぶり面白く高く伸びる木立、屋根外左、画面中央下には笠に手をやり向こう向き並んで滝を見上げる男二人、一人は立ち一人はこちら岸壁に腰掛けています。その向こうの先に樹木を頂いて突き出す岩下手前を左に向かい滝壺からの水が段重ねにうねり落ち流れ下ってゆきます。岩の向こう上のほうまで白からその輪郭を沸き立つもこもこ小さな雲模様で描いた霞が沸き起こりそこから生えだすように現われる左右の木々を抱いた黄色い岸壁岩塊、その間から中央画面三分の一ほどの幅でどどっとまっすぐに落ちる青白藍の迫力の筋滝、中央下の二人の向こうの樹木を頂いた突き出す藍色岩塊の向こうに白煙しぶきを上げて流れ落ちていました。水色白藍黄色海老茶色緑肌色、色構成も綺麗な作品でした。
 東海道坂ノ下清滝くわんおん。画面下四つほど屋根を並べるわらぶき民家の間には旅人や女衆の姿が何人か見え屋根の向こうから画面右上の格子柱を並べはめた岩室へ向かって岩の間のうねり長い石段を登っていく天秤荷物の男やもう一人、石室の前では笠を置きしゃがんで手を合わす参拝客も。滝はといえばその石段の脇の木立の生える岩崖の左、向こうの絶壁の上の木立と岩の間の暗闇から、三筋の細い流れをいくつかに枝分かれさせながら広がり流れ落ちるささやかな景色。なかなか面白い趣でした。
 他にも一月に美術館えきKYOTOでも見た富嶽三十六景は見事だったし諸国名橋奇覧や琉球八景も面白かった。琉球八景の仙崎夜月では下がかけた月が・・太陽がどっちにあるとは当時の人は思い及ばなかったことなのかも。風景以外に桔梗にとんぼ、雪松に鶴、滝に鯉、翡翠(かわせみ)鳶尾艸(しゃが)瞿麦(なでしこ)、と植物や鳥、鯉をダイナミックに組み合わせあしらったアップで見た生き物の世界。北斎漫画の大瓶に入ったり竿を下ったり頭に着物で立ち泳ぎしたり水中の鯉を素手で捕まえたり大きな袋につかまったり四分の三円弧の大きな浮き輪を巻いたり水にもぐり浮かぶ人々の絵や竿に絡んで鉄棒競技のような曲芸をしたり逆立ちしたりするふんどしいっちょの男たちやアクション漫画のようにポーズする風神雷神など第十篇まで各篇見開きひとつずつ展示されていたり、ギヤマン瓶を差し上げ金魚をねだる子供のいる金魚すくいの母子像、遠くの舟の上と水の間で騒ぐふんどしの男たちのいる遠景の面白い桟橋の美人図、色鮮やかな着物の美男美女の二人の放つ籠に入ったり空を近くから並んで遠くまで飛んだり鶴たちと鳥居の上端の面白い見立て頼朝図、など衣装の色合いも鮮やかにエンボスなどもある美しい摺り物などなど。
 後期も同じシリーズの半分ずつ残した作品群が見られます。
 北斎円熟の乳母か絵と起。最高傑作富嶽三十六景。諸国瀧廻り。諸国名橋奇覧にもお気に入りがありました。北斎面白し。

 次週は京都文化博物館、ホノルル美術館所蔵、北斎展、後期→3月25日まで、と京都高島屋グランドホール、安野光雅が描く洛中洛外展→3月19日まで、の予定です。
posted by ニャオ at 07:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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